skk

僕は普段skkという漢字変換システムを使用している。 skkは非常にシンプルな仮名ー漢字変換システムで、連文節変換やそれに類する仕組みを持たない。

連文節とは、文章をベタで入力すると、文節構造を自動的に推定し、それぞれの文節や単語を一まとめで変換するものだ。この機能の結果、文章の入力は楽になると考えられている。 僕はこの連文節変換をつい数ヶ月前まで使用してきた。使用し始めたのは、ジャストシステムの一太郎ver.3あたりからだから、多分中学生のころ おそらくもう20年近く前になるだろう。 中高大学のころは、授業のノートや課題レポートが手書きだったということもあり、何かにつけて文字を手書きすることが多かった。しかし、大学院に進学したころからか、文章を手で書くということはほとんど、無くなってしまった。そのせいか、この数年、漢字を思い出せなくなってきていた。

一番良いのは、文章を手書きにすることなのだろうが、今の時世で、手書きの文章のやりとりでは仕事にはならない。加えて、僕は凶悪なくらい字がへたなのだった。 そこで、思いきって、漢字変換のシステムを漢字を思い出さないと使えないものに変更することにしてみた。skkは、変換候補を出現頻度で順位づけすることしかしない。つまり その漢字が正しいのかどうかは使い手の記憶に依存する。つまり、思い出さなければならないのだ。

導入直後、頭のどこかが常にむずむずするような感覚がしばらくあったのだが、1ヶ月ほど経つと、自然に漢字を思い出すようになっていた。慣れたというよりは 回路が出来たというような感覚で、自然に頭の中のどこともいえない部位に血流があるような感じなのだ。 そして、手書きでも漢字が自然に出てくるようになってきた。覚えていないような文字でもなんとなく書いてもそれが正しいということが発生するようになったのだった。 なぜ思い出せるのかは全くわからないのだ。 しかし、残念なことが一つある。それはあいからわらず、字はきたないということだ。