「助成という仕事」を読んで
「助成という仕事」という本を読んだのでちょっとだけまとめておく。
著者は、ケロッグ財団のディレクタを務めた、ジョエル・J・オロズ氏。ケロッグ財団は、全米でも屈指の規模の財団の一つで、様々なプログラムを助成している。 この書籍で、著者は、助成金を出す側が、何をしなければならないか、どういうことを考えなければならないのかを率直に語っている。
特に重要なのは、プログラムオフィサーは助成金を出す相手を選ぶだけではなく、その運営のサポートもしなければならないこと、問題がある場合は、介入すべきだということを述べている。 また、財団のあり方や目的は、時代とともに変化するのだということも。
僕は普段は、助成金を「受け取る」側の仕事をしているのだけれども、渡す側の行動の後ろにある視点や価値観などは、改めて読んでみて、大いに参考になるものだった。
この本を読めば、(昨今話題になっていた)科研費の採択率が上がるとは思わないけど、助成金をもらう側は一度は読んで置く方が良いだろう。自分の見えている景色から逆の景色が見えるはずだ。