Public Media 2.0

オバマ氏が次期大統領に就任することとなった。

現時点での報道では、民主党政権奪回、および初の黒人大統領という2つの点に注目されているが、今後政策面に話題は移ることになるだろう。

そこで、今後の議論のために、IT分野に関連するオバマ氏の政策についてまとめておきたいとおもう。日本が直接、米国のIT政策の変更によって影響を受けることはすくない。しかし数年後には後を追うことになると考えるからだ。

オバマ氏のIT戦略については、すでにNikkei ITplusにおいて、ITジャーナリストの小池良次氏が概要を解説している。(http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITbo000005062008)

小池氏指摘している政策的要点は以下のようなものである。

インターネットのオープン化を主張

メディアの資本集中排除規制の緩和には反対

「Public Media 2.0」を提唱(既存の公共放送は時代遅れなので、双方向サービスの実現しよう)

ネット上の有害コンテンツに対するフィルタリングの親権者への義務付け

不適切な広告の排除

公的機関のプライバシー侵害の是正

電子政府を促進するための統括的な情報システムの整備

電子カルテなど情報システムの普及

著作権問題やパテント制度の見直し

筆者の全体的な印象としては、インターネット全体についてはインターネットが決めるというネット民主主義的な立場をとる一方で、出口についてはインターネットへの参加者に対して一定の責任を負わせるという考え方のように思う。妥当な内容だと感じる。

著作権やパテントなどについては、ビジネス特許無効化等の政策的先行があり、今後の状況を見守る必要があるだろう。しばらくは、混乱があるだろう。また、フィルタリングについては、一大情報産業になる可能性があると思う。ホワイトリスト方式やブラックリスト方式などで不適切コンテンツをシャットアウトするというのが基本的な方法だが、リストをいかにつくるのかということについてはまだ結論は出ていないし、様々な方法がありえる。

また、小池氏のまとめたもの以降にオバマ氏の技術者に当てた、技術政策についてのムービーも以下に公開されている。YouTubeで公開されているのが興味深い。

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20382991,00.htm