事業仕分けについて、あるいは科学技術者として、

事業仕分けが進んでいる。

僕が以前勤めていた組織も対象になり、また今勤めている仕事の母体となっている研究開発事業も対象になっている。

科学技術に国が投資するのは何故かということについて、何故みんな説明しないのだろう。いや、できないのだろう。

来週1週間の食い扶持をお腹がすいたからといって今日・明日使ってしまうことは、とても愚かなことなのだ。

この当たり前の感覚で科学技術の重要性を主張できないのは何故なのだろうか。

一つは、この当たり前のことを理解していない政治にある。それは、このような愚かな政治家を選ぶ市民に起因する。

もう一つは、科学技術の重要性を説明できていない、科学技術者の怠慢にある。

重要性を夢や希望やロマンなんて言葉ではなく、また、費用対効果でもなく、国の将来を何をもって建たせるのかを説得するのは科学技術者の勤めなのだ。

研究していればそれが自明であるなどという言葉はもはや通用しないし、とっくの昔に通用しなくなっていた。そのことに気づいた人はいったい幾人いたのだろうか。

今日から、科学技術者は、その場しのぎの国の将来の食い扶持に対して無責任な人々と戦わなければならないのだということを自覚するべきだ。